新田クリニック「整形外科」

治療方針・診察メニューをご案内しております。
腰痛のはなし
●はじめに

 昔から腰痛は人生において誰もが一度は経験する疾患といわれています。
地球上(重力下)で2本脚歩行できるようになった人類の進化とともに腰痛の歴史も刻まれてきたといっても過言ではないでしょう!

 腰痛は老いも若きも同様に生じます。また、ふだん元気で病気とは無縁のように暮らしている人にも、様々な病気をかかえ闘病生活を余儀なくされている人にも平等に発生してしまうものです。つまり、腰痛で悩んで居られる人は非常に多いということです。

 ここでは腰痛の原因として日常よくみられる疾患を取り上げ、個々に説明していきます。

●腰痛を引き起こす代表的な病気は?

 1.筋・筋膜性腰痛症
 2.腰椎椎間板ヘルニア
 3.腰部脊柱管狭窄症
 4.腰椎分離症・腰痛すべり症・腰椎分離すべり症
 5.骨粗鬆性脊椎圧迫骨折
 6.腰椎側弯症
 7.腰椎椎間関節症
 8.外傷(骨折)
 9.(転移性)骨腫瘍
 10.その他

●どんな症状?

●どんな検査をするの?

●治療法は?

●当院の治療方針と特色

| 疾患紹介 | 12:39 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
筋・筋膜性腰痛症
●どんな症状?

 中腰姿勢で荷物を持ち上げようとして腰が「ギクッ」として痛くて動けなくなったり、床に落ちたものを拾おうとしたときに腰部に激痛が走り、腰の曲げ伸ばしができなくなったりする事はよくあります。いわゆる「ぎっくり腰」と昔からいわれているものです。

 明らかな原因疾患が認められず、急激に腰痛を生じるものを総称して急性腰痛症といいますが、その中でも一番多くみられるのがこの筋・筋膜性腰痛症です。腰部筋肉の肉離れのようなものととらえて良いでしょう。

 腰痛を訴えて来院される多くの方々の中には「ぎっくり腰になった。」と自ら言ってこられることもよく経験しますが、本当にそうなのか?
その腰痛がどこから来ているのか?どこの痛みのセンサーが働いているのか?
尿管結石や胃・十二指腸などの骨、筋疾患とは別の病気の関連痛ではないのか?

 などいろいろな可能性があります。ただの腰痛だから寝てれば治る。と安易な考えではなく、やはり一度は専門の医師に診察を受けることをおすすめします。

 特徴的な症状として以下のようなことが挙げられます。
  1)傍脊柱筋(背骨の両脇の背筋)の圧痛
  2)運動時痛(寝返り、立ち上がり動作、前後屈など)
  3)姿勢による痛みの変化(痛い・痛くない姿勢)
  4)下肢の痛み、しびれ、感覚異常、筋力低下などがない。
などです。

●どんな検査をするの?

 他の急性腰痛を呈する疾患との鑑別のため、簡単に初診時にできるものはレントゲン(X線)検査です。ベッドサイドで上述した特徴的な症状を医師に診察してもらい、特に神経学的に異常所見が無く、筋・筋膜性腰痛症を疑ったなら、それ以外のさらなる検査はまずしません。ただし、経過中に他の疾患を疑ったり、症状の改善がみられないような場合は、MRI検査を追加する事もあります。

1)レントゲン(X線)

 骨折など骨傷がないか、椎間板(骨と骨の間に存在するクッションの役割をしている軟骨の一種)の変性がないか、椎間関節(上下の椎骨を連結する関節)の変形はないか、靱帯の骨化はないか、側彎症や先天的な腰椎の構造異常がないか、骨粗鬆症はないか、などレントゲン(X線)検査だけでも様々な情報が得られます。

レントゲンイメージ02
レントゲンイメージ01


2)MRI

 筋・筋膜の損傷の有無や損傷を裏付ける血腫(出血)の存在を把握できます。また、レントゲンでははっきり写らないような不全骨折でもよく分かる場合があります。実際に神経やヘルニア自体も写ってきますので診断が容易につくことが多いのです。また、骨以外の組織も移るので、骨腫瘍に限らず骨以外の腫瘍(軟部腫瘍)の診断にも有用です。
 その他、以下の検査も診断能力に優れますが、通常行われません。

MRIイメージ01
MRIイメージ02
MRIイメージ03


3)CT

4)PET

5)シンチグラフフィー

●治療法は?

 筋・筋膜性腰痛症の治療で手術になることはありません。様々な保存的療法を症状の程度や時期に応じて選択していくことになります。

◎急性期(発症〜1週)
 痛みの強い時期で、日常生活も困難であります。まずは強い痛みから1日も早く解放され、日常生活を可能にすることを目標とします。
 1)安静(痛みの少ない楽な姿勢で安静臥床)
 2)痛み止めや筋弛緩薬などの飲み薬、外用薬(湿布、塗り薬など)の使用
 3)腰椎バンド、コルセットなどの外固定(腹圧を高めて筋肉自体の安静)
 4)注射療法(痛みの程度、部位により医師が判断)

◎回復期(1週〜2週)から治癒期(2週以降)
 多少の制限があっても日常生活に支障は無くなります。腰痛はかなり軽減していますが、この時期に注意しなければならないのは、再発の恐れが残っているということです。再発を起こさず痛みをより軽減し、日常生活を制限無く出来るようにする事を目標とします。
 1)腰痛体操などのストレッチを中心にした筋力増強訓練
 2)牽引、電気治療、温熱療法、マッサージなどの物理療法
 3)日常生活上における注意点の指導、
 4)運動、スポーツ復帰へ向けてのトレーニング指導

【ストレッチング】
ストレッチ01
ストレッチ02



【等尺性筋力強化】
ストレッチ03
ストレッチ04


【非対称性筋力バランス訓練】
ストレッチ05

●当院の治療方針と特色

 当院では基本的に急性期の安静臥床期間は2日以内とし、個人の症状程度にあわせて多少痛みが強くても出来る限り早期に日常生活に復帰するよう指導しております。そのためには腰痛に対する自己管理を早期から指導していくことと、早期から積極的な理学・物理療法(リハビリ)や体操・運動療法を導入していくことに重点を置いております。

 運動療法を急性期から行うことにより、疼痛や筋スパズム(筋攣縮、緊張)を軽減出来ます。日常生活の早期復帰を可能にするため、筋力増強、柔軟性の回復、体力の維持と向上など腰部のみにとどまらず全身のバランスの再調整する事が重要と考えております。また、精神的にもじっと安静臥床のみ強いるより、積極的に自ら腰痛軽減に向けて運動療法を行うことにより、復帰へのモチベーションも保たれ、ストレスも軽減にもなると思われます。
 
 筋・筋膜性腰痛の場合、特に表層の筋・筋膜の緊張が強く、血流が低下していることが多いので、温熱療法のよい適応です。一般的に用いられる、ホットパック、赤外線、超音波治療器、などのほか、
 ・温泉プールでの水中歩行や温泉水ジャグジーマッサージ
 ・テルミー(漢方薬を用い温熱療法とマッサージを同時に行う療法)
 ・温水ウオーターベット(3台)
など、特別な温熱療法を併用できることが当院の特徴です。
その他、症例によっては牽引器以外の牽引療法として、腰痛を即時的に軽快させる目的で、 
 ・伸展位下肢自重牽引療法を行うこともあります。

当院リハビリ用プール
▲当院リハビリ用温泉プール

 運動療法としては早期のストレッチ体操や回復期の腹筋、背筋の等尺性筋力訓練、いわゆる「腰痛体操」として従来から推奨されているもののほかに、
 ・骨盤、腰部安定化トレーニング(インナーマッスル強化)
 ・脊柱 - 骨盤バランス訓練
 ・水中歩行、アクアエアロビクス
 ・エアロバイク 
 ・股関節可動域、筋力訓練(アウフバウトレーニング)
などを 理学療法士、セラピスト、スポーツトレーナーが共同して指導しております。
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